水は温度や圧力の変化により、分子間相互作用と運動エネルギーの兼ね合いから、固体・液体・気体と状態を変化させます。気液共存線の終点が臨界点(374℃、22.1MPa)であり、この温度・圧力以上の状態の水を超臨界水と呼び、臨界点よりもやや低い領域にある高温、高圧の水(液体)を亜臨界水(目安150℃以上、0.5MPa以上)と呼びます。亜臨界水や超臨界水は無極性の有機化合物を溶解したり、加水分解したりする等、普通の水にはない性質を持っています。
亜臨界水の特徴は高いイオン積(Kw=[H+][OH–])を持つことです。イオン積とは、純水がどの程度水素イオンH+と水酸化物イオンOH–に解離しているかを示す尺度です。常温常圧の水のイオン積は10-14(mol/kg)2ですが、温度・圧力が高くなるとイオン積は増大し、250~300℃付近の高温高圧の液体では約1000倍の10-11(mol/kg)2となります。このときのH+とOH–イオン濃度は室温の水の約30倍となるため、それ自身が酸やアルカリ触媒の働きをして加水分解反応を促進します。加水分解反応により、有機物を低分子化することができ、たんぱく質をアミノ酸、脂肪を酢酸、炭水化物を糖に分解します。この反応からわかるように、亜臨界水で有機物を処理することにより、一般的にゴミと考えられている有機物が、有効活用できるようになります。